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住宅ローン担保評価の基本「掛け目


不動産担保に特有のリスクとはどのようなものかといえば次のようなことがあげられます。

1.更地にして建物が建った場合の換価の困難性

2.建物に他人が入居する可能性

3.処分の際、時間がかかり、早期回収に向かないこと

4.一般経済動向により地価下落の可能性があること

5.競売価格が低いこと

6.投下資本どおりに換価性がないこと


担保価格を求めるための掛目は、担保としての安全性の目安であり、その掛目率は金融機関によってまちまちです。

掛目の本質は、不動産そのものの性質に求めなければなりません。そして、その考え方は、次の3つのタイプに分けられるでしょう。

1.不動産の種類(更地、自用の建物およびその敷地、貸家等々)ごとに完全所有権価格を求め、さらに種類ごとに異なる掛目を乗じる方法

2.不動産の種類別に価格を求め(貸家は収益価格を求める等)、掛目は一定とする方法

3.掛目をなくし、不動産の種類別の価格に対し、与信額をその何%とするか(融資割合)を返済力等とあわせ判断する方法


上記のうち、1の方法は種類ごとに掛目をグループ化してよいのかという問題があり、2の方法は収益価格等を算出する等事務的煩雑さを伴うという問題があり、3の方法は不動産そのもののリスクはないのかという疑問を生じます。

論理的にいえば、2の方法が妥当と思われますが、土地・建物一体の複合不動産についてみると、地域によるリスク差が存在していることも、経験上無視できません。

たとえば、東京圏の売買価格を50百万円(内訳=土地35百万円、建物15百万円)とし、地方圏の売買価格を25百万円(内訳=土地10百万円、建物15百万円)とします。売買価格に対する住宅ローンをその70%、20年の元利均等返済とし、返済不能による処分価格を売買価格の70%、今後の地価下落率を当初年5%、その後は建物は市場性から築後12年で残存価格20%までに至るものの、市場性を失うとします。

これらの数字が貸出期間中どのように推移するかを示すと、東京圏の場合、建物の交換価値が急減しでも、比重の高い土地価格が十分カバーし、物件処分時の元本割れの可能性は当初の短期間のみ、ということができます。

これに対し、地方圏では、土地に比し建物の比重が高いため、物件処分ともなれば、処分価格が与信残高を下回る可能性は、貸出期間の大半で発生するということになります。

このような場合、掛目に物件の内容や地域で差をつけるか、融資割合や貸出期間で調整するか、選択の必要があると思われます。

(次回に続く)

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